本ガイドラインは、各事業者の役職員が業務で生成AI(ChatGPT等の対話型AIやAI-OCR等を含む)を利用する際に守るべき基本的なルールと考え方を示すものです。生成AIは業務効率の改善や新しいアイデア出しに役立つ一方、入力するデータや生成物の使い方によっては、情報漏洩・法令違反・他者の権利侵害につながる可能性があります。本書をよく読み、生成AIを安全かつ効果的に活用してください。
本ガイドラインは、次の2部構成です。用途に応じて必要な部分を参照してください。
| 区分 | 対象範囲 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 統合版 | 全事業者・全部門に共通 | 目的、基本原則、利用ルール、法令順守、人間確認、リスク管理、セキュリティ、教育、導入ステップ |
| 業種別版 | 卸売業に特化 | 業務シーン別規定(需要予測・帳票データ化・チャットボット・配車)、取扱商品別特則(食品・機械部品・衣料品・化学製品・医薬品) |
AI推進法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律。2025年5月成立・2025年9月施行)
経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン」
経済産業省「AI導入ガイドブック(需要予測・小売/卸売)」、東京商工会議所「中小企業のための生成AI活用入門ガイド」
IPA「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」、JDLA「生成AIの利用ガイドライン」
まず本統合版で全社共通のルール(第2〜10章)を理解する。
自部門の業務に該当する場合は、「業種別版」の該当シーン・取扱商品の特則を必ず併読する。
ガバナンスの観点から、第7章に定める相談窓口を設け、判断に迷う場合は、自己判断せず相談窓口へ照会する運用とする。
この章の意義:AI導入で何を目指し、誰に・どの業務に適用するのかを最初に明確にし、以降のルールの前提と範囲を全社で共有します。
業務効率化・生産性向上:メール作成・資料作成・議事録整理などの定型業務を自動化し、限られた人員でより多くの付加価値業務に時間を割けるようにする。
意思決定の迅速化・高度化:販売実績や気象・イベント等の膨大なデータ分析を活用し、需要予測や営業戦略の精度とスピードを高める。
労働環境の改善:現場の業務負担を軽減し、対人折衝や企画立案などの創造的業務へのシフトを促す。
本ガイドラインは、以下の「対象者」が「対象ツール」を用いて「対象業務」を行うすべての場面に適用します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 役員・正社員に加え、契約社員・パート・派遣社員、および自社データに触れる業務委託先を含む(委託契約に本ガイドライン遵守を明記する) |
| 対象ツール | 会社が利用を認可した生成AIサービス・機能(法人版を原則とする)。認可外ツールの業務利用は禁止(第4章) |
| 対象業務 | 生成AIにデータを入力し、または生成物を業務に利用するすべての行為(社内利用・対外利用を問わない) |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 生成AI | 文章・画像・音声等を生成するAI。対話型AI(ChatGPT等)やAI-OCR等を含む |
| シャドーAI | 会社の認可を受けずに、個人アカウント等で業務利用される生成AI |
| 再学習(学習利用) | 入力したデータがAIサービス提供者のモデル改良に利用されること |
| ハルシネーション | AIが事実と異なる、もっともらしい虚偽の内容を生成する現象 |
| ヒューマン・イン・ザ・ループ | AIの出力をそのまま使わず、必ず人間が確認・承認する仕組み |
この章の意義:個別ルールの土台となる価値観・原則を定め、規定に明記のない場面でも判断の拠り所を持てるようにします。
各事業者は、AI推進法およびAI事業者ガイドラインの趣旨をふまえ、以下の6原則を全社員が共有する行動指針とします。
AIはあくまで人間の判断を補助する道具であり、最終的な判断と責任は人間が負う。人間の尊厳・権利を損なう利用は行わない。
AIを用いたことや、その判断根拠を、可能な範囲で説明できるようにする。対外的にAIが応答する場面では、その旨を相手に明示する。
AIが特定の属性(性別・国籍・取引先の規模等)に対して不当な不利益や差別的な扱いをしないよう、出力を確認する。
AIシステムや関連データを、サイバー攻撃・不正アクセス・情報漏洩から守る(第8章)。
個人情報・プライバシーを適切に取り扱い、本人の権利利益を侵害しない(第5章)。
関係法令・契約・社内規程を順守し、問題が生じた場合は誠実に対応する(第5章・第7章)。
この章の意義:最も事故が起きやすい「入力時の情報漏洩」を防ぐため、使ってよいツールや入力してはならない情報を具体的に定めます。
生成AIは、会社がセキュリティ・プライバシー基準を確認し認可したサービス・機能のみを利用する。安全性が担保された法人版サービスを中心に活用する。
個人アカウントでの業務利用(シャドーAI)は、情報漏洩を防ぐため厳禁とする。個人版では入力データがAIに再学習され、将来他社の出力を通じて漏れるリスクがある。
新たなツールを業務利用したい場合は、利用申請を行い、情報システム部門(またはセキュリティ担当)の承認を得る。
利用するAIサービスについて、入力データが再学習に使われない設定(オプトアウト、または学習しない法人プラン)になっているかを、利用開始前に必ず確認する。設定が不明な場合はセキュリティ担当に照会する。
扱うデータを次の3ランクに分類し、リスクを統制します。入力前に必ず「このデータはどのランクか」を判断してください。
| ランク | 分類 | 具体例 | 生成AIへの入力可否 |
|---|---|---|---|
| A | 極秘 | 未発表の経営戦略、独自アルゴリズム、M&A情報 | 入力禁止 |
| B | 社外秘 | 取引先の契約内容・仕入原価・顧客リスト | 学習されない法人版でのみ許可(要マスキング検討) |
| C | 公開可 | 公開済みカタログ、プレスリリース | 著作権に配慮のうえ積極活用 |
① 個人情報(顧客・取引先担当者の氏名・住所・連絡先等)※原則入力禁止
② 他社からNDA(秘密保持契約)で受領した秘密情報
③ 自社の未公開の機密・ノウハウ・技術情報(ランクA)
④ 既存著作物・作家名を入力し、類似物の生成を目的とする行為
⑤ 会社が認可していないツール・端末からの入力
対話型AIには、過去のやり取りやユーザーの情報を記憶し、以降の応答に反映する「メモリ機能」があります。便利な一方、入力した機密情報・個人情報が本人の意図しない形でメモリに蓄積され、後の出力や共用環境を通じて漏洩するリスクがあるため、次のとおり管理します。
業務利用では、原則としてメモリ機能をオフにする。利用する場合は、法人版の管理下で会社が許可した範囲に限る。
ランクA(極秘)・ランクB(社外秘)・個人情報は、メモリに記憶させない(4-3の入力制限と同じ基準を適用する)。
複数人で使う共用アカウント・共用端末では、メモリに他者の情報が残らないよう特に注意する。
四半期に1回など定期的に、メモリに保存された内容を確認し、不要な情報・機密情報を削除する(棚卸し)。
棚卸しの頻度・実施の責任部署(またはIT担当)を定め、実施記録を残す。
退職者・異動者のアカウント、および共用端末は、速やかにメモリをクリア(初期化)する。
メモリ機能の仕様(保存範囲・削除方法・オプトアウト可否)は、サービスの更新で変わることがあるため、利用開始時と更新時に確認する。
この章の意義:AIの利用が著作権・個人情報・秘密保持など既存の法令に触れうるため、遵守すべき法的な留意点を整理します。
生成AIは「データを入力する場面」と「生成物を利用する場面」の2つで法的リスクが生じます。それぞれで注意すべき事項を示します。
他人の著作物を単に入力するだけでは原則として著作権侵害にはならないが、「既存著作物と同一・類似のものを生成する目的」で入力する行為は侵害となりうる。
特定の作者・作品のみを学習させた特化型AIは利用しない。プロンプトに既存著作物・作家名・作品名を入力しない。
登録商標・意匠の入力自体は権利侵害に当たらないが、生成物を商用利用する場合は、同一・類似の登録商標・意匠がないか調査が必要(詳細は5-2)。
個人情報(顧客氏名・住所等)は、本人同意なく学習される可能性があるため、原則として生成AIに入力しない。
越境移転への注意:海外サーバーで処理・保存されるサービスに個人データを提供する場合、個人情報保護法28条(外国にある第三者への提供)の要件(本人同意、または提供先の基準適合体制の確認等)に留意する。
他社とのNDAで受領した秘密情報を外部の生成AIに入力する行為は、AI提供者という「第三者」への開示に当たり、NDA違反となりうる。取引先から預かった機密情報は、再学習されない安全な環境でのみ取り扱う。
自社のノウハウ等を入力すると、サービスの規約次第で法律上の保護(営業秘密)を失ったり、特許出願ができなくなるリスクがあるため入力しない。
虚偽の可能性:生成物には虚偽が含まれうる。内容を盲信せず、必ず根拠・裏付けを自ら確認する(第6章)。
権利侵害の確認:生成物が既存の著作物・登録商標・意匠と同一・類似でないか、公開・商用利用の前に調査する。
著作権の発生:AI生成物は人間の創作的寄与が乏しいと著作権が発生しない場合がある。自社の権利として保護したい場合は、そのまま使わず加筆・修正する。
商用利用の可否とポリシー:利用するサービスの利用規約・ポリシー(商用利用可否、AI利用の明示義務等)を確認する。
① 生成物が既存著作物に類似しないか調査する
② ロゴ・キャッチコピー等は登録商標・意匠の調査を行う
③ 人間による加筆・修正を加え、創作的寄与を確保する
④ 判断が難しい場合は法務・相談窓口に照会する
この章の意義:AIの出力には誤り(ハルシネーション)が含まれうるため、人間が必ず確認し最終責任を負う仕組みを定めます。
AIが生成した内容をそのまま使わず、必ず人間が介入する仕組みを全業務で徹底します。
数値・固有名詞・法令・引用は、一次情報(公式資料・原本)と突き合わせて確認する。
確認できない情報は使用しない。不確実な点は「要確認」と明記して次工程へ渡す。
AIがメール送信・発注・対外回答など外部に影響する操作を行う場合、実行前に人間による最終承認を必須とします。
| 工程 | 担当 | 確認内容 |
|---|---|---|
| ① AIによる素案作成 | AI | たたき台の生成 |
| ② 真実性の確認 | 人間 | 事実・数値のファクトチェック |
| ③ 権利・倫理の確認 | 人間 | 権利侵害・不適切表現の有無 |
| ④ 最終承認と送信 | 人間(責任者) | 内容確定・実行の承認 |
この章の意義:問題が起きた際の責任の所在と対応手順をあらかじめ決めておくことで、被害の拡大を防ぎ迅速に対処します。
AIの出力に基づく最終判断の責任は、利用者(担当者)および承認者にあることを明記する。
AIエージェントの誤作動により第三者に損害が生じた場合の民事上の責任所在を、ベンダーとの契約上あらかじめ明確化する。
情報漏洩・権利侵害・重大な誤情報の発信等(インシデント)が疑われる場合、次のフローで対応します。
検知 発見・停止:異常を認めた者は直ちに当該利用を停止し、証拠(画面・ログ)を保全する。
報告 報告:速やかに相談窓口・上長へ報告する(第一報は事実確認より優先)。
対応 初動対応:影響範囲の特定、拡大防止、必要に応じ関係取引先・監督官庁への連絡を検討する。
改善 再発防止:原因分析を行い、ルール・教育・技術対策を見直す。
AI利用に関する疑問・判断相談・インシデント報告を一元的に受け付ける窓口を設置します。違反時の対応フローもここに集約します。
| 項目 | 記載欄(各社で設定) |
|---|---|
| 相談窓口部署 | (例)情報システム部/DX推進担当 |
| 連絡先 | (メール・内線) |
| 受付内容 | 利用相談・ツール申請・インシデント報告 |
この章の意義:情報資産をサイバー攻撃・不正アクセス・漏洩から守るため、組織・人・物理・技術の各面から管理措置を定めます。
個人情報保護法が求める4つの安全管理措置の枠組みで、AI利用時の対策を整理します。
組織体制・情報共有体制・責任分担を明確化し、AI活用の統一ルールを明文化する。
利用記録(ログ)を自動取得し、一定期間保管する。
利用者から誓約書を取得し、定期的な研修・教育(トレーニング)を実施する(第9章)。
利用エリアの管理、業務用PCの管理(私物端末での利用制限)を行う。
利用制限:社内で認めたサービス・機能のみ利用可とする。
権限管理:一部の利用対象者のみにアクセス権を付与する。
認証:AIサービス利用時に多要素認証を導入する。
入力制御:入れてはいけない情報を自動検知・ブロックする仕組み(DLP等)を検討する。
この章の意義:ルールを実効的に機能させるには、全社員が背景と使い方を理解している必要があるため、継続的な教育を行います。
AIを安全に使いこなすには、ツールの操作方法だけでなく、リスクを見抜くリテラシーが不可欠です。全社員を対象に、役割に応じた継続的な教育を行います。
| 対象 | 重点テーマ |
|---|---|
| 全社員(基礎) | 本ガイドラインの理解、情報区分、禁止事項、ハルシネーション、シャドーAI禁止 |
| 管理職・承認者 | 最終承認の責任、リスク判断、インシデント対応 |
| 推進・IT担当 | ツール選定・設定(オプトアウト)、ログ監視、教育企画 |
入社時および年1回以上、定期研修を実施する。
新しいリスクや事例が生じた際は、随時注意喚起を行う。
成功事例・失敗事例を社内で共有し、活用ノウハウを蓄積する。
この章の意義:以上の考え方を実際の導入・運用に移すための手順と、導入前に確認すべき項目を示します。
STEP1 企画(方針策定):導入目的・適用範囲・体制を決め、本ガイドラインを整備する。
STEP2 ツール選定:法人版・オプトアウト・セキュリティ・説明可能性を評価し、認可ツールを決める。
STEP3 環境整備:権限・ログ・認証を設定し、利用申請フローと相談窓口を用意する。
STEP4 教育・試行:研修を実施し、小さな業務で試行(PoC)して効果とリスクを検証する。
STEP5 展開・改善:対象業務を拡大し、精度・運用を定期的に見直す。
| ランク | 定義 | 自社での該当情報(記入) | AI入力 |
|---|---|---|---|
| A 極秘 | 漏洩で経営に重大影響 | (例)M&A・新規事業計画 | 禁止 |
| B 社外秘 | 取引・顧客に関する非公開情報 | (例)仕入原価・顧客リスト | 法人版のみ可 |
| C 公開可 | 既に公開済みの情報 | (例)Web掲載カタログ | 活用可 |
全事業者共通の原則を定めた「統合版」に加え、卸売業に特有の業務・取扱商品ごとの追加ルール(特則)を定めます。統合版の第2〜10章(目的、基本原則、利用ルール、法令順守、人間確認、リスク管理、セキュリティ、教育、導入ステップ)を前提とし、これに上乗せする形で適用されます。両者に矛盾がある場合は、より厳しい方を採用してください。
川上(生産者・メーカー)と川下(小売・飲食・病院等)の間に立つため、AI活用による発注・価格・納期の判断について、取引先への説明責任を負う。
需要予測・在庫・物流・受発注など、数値の誤りが直接、欠品・過剰在庫・廃棄ロス・取引先トラブルに直結する。
取扱商品によっては、食品衛生・危険物・薬機法など、AIの暴走が人命や重大な法令違反に直結する分野がある(第3章)。
| 活用シーン | 主な効果 | 本書での規定 |
|---|---|---|
| AI需要予測(気象・イベント・季節需要の分析) | 欠品・過剰在庫の削減 | 2-1 |
| 帳票(発注書・請求書・カタログ)のデータ化 | 入力業務の自動化 | 2-2 |
| 在庫確認・納期回答チャットボット | 問い合わせ対応の省力化 | 2-3 |
| 輸配送ルート・配車の最適化 | 物流2024年問題への対応 | 2-4 |
| 貿易書類・報告書・見積書の作成支援 | 書類作成の効率化 | 統合版+2-2 |
気象データや地域イベント、季節要因等を掛け合わせた「AI需要予測」を業務に組み込む場合、情報の取り扱いや自動化のリスクを統制するため、以下を規定します。
機密情報のマスキング:過去の販売データを外部クラウド型AIに入力・学習させる場合、「生産者名」「取引先(小売店)の固有名詞」「仕入原価・特定の取引条件」がそのまま外部流出しないよう、匿名化・マスキングを義務付ける。
利用可能なデータソースの指定:需要予測に使う気象・イベント情報は、信頼できる公的機関(気象庁・自治体等)や契約済みの公式データベンダーのものを使用する。
最終判断権限の明記:AIの予測や適正発注量は「意思決定の支援情報」であり、最終的な発注数量・価格の決定権と責任は担当者(または部門長)にある。
イレギュラー時の対応:異常気象による相場変動やパンデミック等、過去データにない事象では、AI予測を鵜呑みにせず現場の経験則・市場動向を優先する。
上限・下限設定:自動発注(EOS)に直結する場合、「前年同週比±○%以内」「最大発注金額○○万円まで」等の安全制限(リミッター)を必ず設ける。
異常値アラート:予測値が閾値を超えたら自動処理を一時停止し、管理者の承認を必須とする。
四半期・半期ごとに予測と実績の乖離(エラー率)を検証し、チューニングの責任部署を定める。気候変動による旬のズレ等、前提変化を学習に反映する。
取引先から発注量・価格の根拠を問われた際、「AIが決めたから」という回答は禁止し、気象・イベント需要等の根拠を人間が論理的に説明できるようにする。
AIが算出した需要予測・発注量は意思決定の支援情報であり、最終決定と責任は担当者が負う。自動発注システムに連携する場合は前年同週比等の上限・下限を設定し、閾値超過時は自動処理を停止して管理者の承認を得る。
商品カタログや手書き帳票(発注書・注文書・請求書)をAI-OCRや生成AIでデータ化する業務は効率化メリットが大きい一方、読み取り精度の限界や個人情報・機密情報の漏洩リスクを伴います。
手書き読み取り(AI-OCR)と、データ補正・抽出(生成AI)の役割分担と責任を明確にし、原本突合(ファクトチェック)を義務付けます。
AI-OCRおよび生成AIで非定型帳票(発注書・請求書等)からデータを抽出し販売管理システムへ取り込む(CSV連携等)場合、AIの読み取り精度は完全ではないことを前提とする。担当者はシステム登録前に、必ず元の帳票(原本・画像)と抽出データを目視で突き合わせ、正確性を確認しなければならない。
帳票に含まれる個人情報(担当者名・連絡先)や未発表情報の取り扱いルール(オプトアウトの徹底)を定める。
100%の精度は保証されない前提に立ち、取り込み前に人間が修正・補完するフローを義務付ける。
データ化後も一定期間、原本(紙・画像)を保管する(電子帳簿保存法への対応を含む)。
在庫(ロット・賞味期限等)管理や取引先への納期回答をAIで自動化する場合、誤情報提供による機会損失・トラブルや「言った言わない」の責任問題を防ぐルールが必要です。チャットボットの回答は「会社の公式回答」とみなされるため、慎重な規定を要します。
法的拘束力の否定・免責:納期・在庫回答はあくまで「参考情報(一次回答)」であり正式な確約ではないことを、取引先に明示する。
ロット・期限管理の最終責任:AIが算出した引当可能ロットや出荷期限の最終判断は、システム任せにせず人間が負う。
エスカレーションの義務:複雑な問い合わせやクレームの兆候を検知した場合、速やかに人間の担当者へ引き継ぐフローを構築する。
AIチャットボットで在庫状況・納期の一次回答を行う場合、応答主体がAIであること、回答が「参考情報(確約ではない)」であることを明示する。複雑な問い合わせやクレームの兆候を検知した場合は、速やかに人間の担当者へ対応を引き継ぐ機能を設ける。
自社配送や提携運送会社との連携による輸配送ルートの最適化は、物流の「2024年問題(ドライバーの時間外労働の上限規制)」への重要な打ち手です。ただし、AIが算出した「最も効率的なルート」が、現場にとって安全・最適とは限らないという特有のリスクがあります。
「安全」と「法令順守」の最優先:AIの効率性より、実際の道路標識・交通ルール・ドライバーの安全確保を優先することを明記する。
ドライバーの裁量権(オーバーライド)の保証:AIが細い抜け道や冠水リスクのある道路を指示した場合、現場判断で迂回してもペナルティの対象としない。
労働法規の組み込み:連続運転時間の制限や休憩時間を、AIの計算パラメーターに強制的に組み込む。
車両制限・納品先ルールの考慮:車高・重量制限や、納品先ごとの指定駐車位置・納品指定時間をAIに学習・設定させる責任の所在を定める。
同じ卸売業でも、取扱商品によってAI活用時の「致命的リスク」は大きく異なります。本章は分野ごとに、統合版・第2章に上乗せする特則を定めます。自社が扱う商材の項を必ず確認してください。
分野ごとの代表的な活用シーンです。禁止・義務などの遵守事項は社内規程 別表第2(本タブ3-1以降の特則)を参照してください。
| 分野 | 代表的な活用シーン・事例 | 主な留意点(詳細は社内規程 別表第2) |
|---|---|---|
| ① 食品・農水産物 | 気象・イベント・曜日を加味した発注量最適化(廃棄ロス削減)、手書き規格書のデータ化 | 産地・期限・アレルギー表示はAI自動生成禁止/期限リミッター |
| ② 機械・機械部品 | 類似部品の候補提示、在庫・納期の一次回答、仕様書・マニュアルの要約 | 代替品の適合性は技術者が公式仕様書で確認/稼働・安全を確約しない |
| ③ 衣料品・アパレル | SNS・気象・実績によるSKU/週単位の需要予測、在庫偏在の解消、ECカタログ下書き | 品質表示のAI自動生成禁止/優良誤認・知財侵害を人間が確認 |
| ④ 化学製品・危険物 | SDS・輸出入書類の翻訳・作成補助、禁忌条件を組み込んだ在庫・配車最適化 | 成分・法令の出力は有資格者が確認/混載禁忌は絶対条件 |
| ⑤ 医薬品 | 欠品防止・過剰在庫抑制の需要予測、GS1バーコード照合、温度異常検知アラート | GDP手順を優先/期限・回収品は出荷自動停止/薬事が最終判断 |
天候やトレンドで需要が急変し、かつ「腐る」という時間的制約があるため、AIの暴走が直接、廃棄ロスや消費者の健康被害に直結する。
属性情報の自動補完の禁止:商品マスタ・カタログをAIで自動生成する際、「産地」「消費期限」「アレルギー物質(特定原材料等)」をAIに推測・自動入力させることを固く禁ずる。
期限管理のオーバーライド禁止:AIが在庫最適化のために業界の商慣習(1/3ルール等)や納品先指定の残存期限を無視したロット引き当てを提案しても、システムがそれを弾く設定を義務付ける。
需要予測の下振れ対策:生鮮品は過剰発注が即廃棄となるため、需要予測に基づく自動発注の上限は特に保守的に設定する。
食品の商品情報(産地・消費期限・アレルギー物質)は、AIによる推測・自動補完を禁止し、必ず一次情報(メーカー仕様書・規格書)に基づき人間が確認・入力する。
需要予測:気象・地域イベント・曜日を加味した発注量最適化(廃棄ロス削減)。ただし最終発注は人間が確認。
帳票データ化:手書き発注書・規格書のAI-OCR取り込み(原本突合を徹底)。
表示チェック:カタログ表示の下書き作成にAIを使う場合も、表示内容の最終確認は品質管理担当が行う。
単価が高く、BtoBでの長期的な保守・メンテナンスが前提。代替品の誤った提案が、顧客の生産ラインを停止させる致命的トラブルを生む。
仕様適合性の最終判断:チャットボットや見積作成AIが「代替品」「推奨オプション」を提示した場合、その互換性・安全基準の適合性は、必ず技術的知見を持つ人間(営業・エンジニア)がメーカー公式仕様書と照合し、責任を負う。
稼働・安全に関する免責:取引先に対し、AIが算出したシステムの稼働率予測や設備の安全性評価を「確約」として提示することを禁ずる。
型番・数量の誤り防止:AI-OCRで読み取った型番・数量は、発注確定前に必ず人間が原本と突合する(誤発注は高額損害に直結)。
見積・提案AIが代替品や互換部品を提示した場合、その互換性・安全基準適合性は、技術的知見を持つ担当者がメーカー公式仕様書と照合して最終判断する。AIによる稼働率・安全性の評価を取引先へ確約として提示してはならない。
見積・提案支援:類似部品の候補提示(互換性は人間が公式仕様書で確認)。
納期回答チャットボット:在庫・納期の一次回答(確約でない旨を明示)。
技術資料の要約:仕様書・マニュアルの要約下書き(数値は原本確認)。
トレンドで需要が急変し、季節・サイズごとに在庫が偏りやすい。AIによる画像生成やコピー作成では、他社デザイン・商標の模倣や、品質・表示の誤りがブランド毀損や法令違反に直結する。
品質・素材表示の自動生成の禁止:組成(混用率)・原産国・取扱い表示(洗濯表示)をAIに推測・自動入力させることを禁じ、メーカー・製造元の一次情報に基づき人間が確認する(家庭用品品質表示法への対応)。
誇大・優良誤認表示の防止:AIが作成した販促コピーに「最高級」「効果」等の断定的表現が含まれる場合、景品表示法(優良誤認)の観点から人間が必ず確認・修正する。
デザイン・商標の権利侵害防止:AI画像生成で商品ビジュアル・ロゴ・柄を作る場合、既存ブランドのデザイン・登録商標・意匠に類似しないか調査し、特化型AI(特定ブランドのみ学習)や既存作家名の入力を禁じる(統合版第5章)。
バーチャル試着等の肖像:モデル画像・顧客画像を用いる場合、肖像権・パブリシティ権・個人情報に配慮し、本人同意のない画像入力を禁じる。
衣料品の品質表示(組成・原産国・洗濯表示)はAIに自動生成させず、一次情報に基づき人間が確認する。AI生成の商品画像・ロゴ・販促コピーは、既存の登録商標・意匠・著作物への類似および優良誤認表示がないかを人間が確認したうえで使用する。
需要・トレンド予測:SNS・気象・過去実績を掛け合わせたSKU/週単位の需要予測、店舗間・倉庫間の在庫偏在の解消(最終判断は人間)。
商品画像・コピー生成:ECカタログ用の下書き(権利侵害・誇大表示を人間が確認)。
サステナビリティ:需要予測・在庫最適化による廃棄ロス削減。環境配慮情報開示の根拠データとして活用(数値の裏付けを確認)。
消防法(危険物)、毒物及び劇物取締法など、取り扱いに厳密な法規制が絡む。AIが「効率」だけを求めて配車や倉庫保管を最適化すると、大事故や法令違反につながる危険がある。
法規制チェックへの人間介在:輸出入書類やSDS(安全データシート)をAIに翻訳・作成補助させる場合、含有成分や適用法令(化審法等)に関する出力は、必ず有資格者(毒物劇物取扱責任者等)が確認・承認する。
禁忌条件の強制(絶対条件):倉庫のロケーション最適化や配車をAIで行う場合、「禁水性物質と水系の同時保管・混載の禁止」等、化学的特性に基づく危険回避ルールをAIの計算パラメーターの最上位(絶対条件)として設定し、いかなる場合も逸脱させない。
数量・区分の誤り防止:危険物の指定数量・区分に関わるデータは、AIの出力を鵜呑みにせず有資格者が確認する。
SDSや輸出入書類の作成をAIに補助させる場合、含有成分・適用法令に関する出力は有資格者が確認・承認する。倉庫ロケーションや配車をAIで最適化する場合、混載・同時保管の禁忌など化学的特性に基づく危険回避ルールを最上位の絶対条件として設定し、逸脱を禁じる。
SDS・輸出入書類の翻訳・作成補助(有資格者が最終確認)。
在庫・配車最適化:禁忌条件を絶対条件として組み込んだ最適化のみ許可。
法令情報の要約:改正情報の要約下書き(原文・官報で裏付け確認)。
薬機法(医薬品医療機器等法)や医薬品の適正流通基準(GDP)が厳格に適用される。AIによる誤った情報提供・在庫引当・温度管理の判断は、患者の健康被害や重大な法令違反に直結する。
適正流通基準(GDP)の順守:温度管理・トレーサビリティ・偽造品対策はGDPガイドラインが求める手順を最優先とし、AIによる効率化提案がこれらの基準を緩めることを禁じる。温度逸脱時の対応判断は人間(品質責任者)が行う。
トレーサビリティの確保:バーコード(GS1)等による製造番号・使用期限の管理はAI-OCR/データ化後も必ず原本・システムと突合する(バーコード表示義務への対応)。
使用期限・ロット引当の最終責任:AIが算出した引当ロット・出荷期限は、使用期限・回収情報をふまえ人間(薬事・品質担当)が最終判断する。期限切迫・回収対象品の出荷をシステムが弾く設定を義務付ける。
情報提供の禁止事項:AIチャットボット等で医薬品の効能・用法に関する情報を発信する場合、薬機法上の広告規制・情報提供の範囲を逸脱しないよう、人間(薬事)が確認する。医療上の助言を確約として提示しない。
医薬品の在庫引当・出荷可否は、使用期限・ロット・回収情報をふまえ薬事/品質担当が最終判断する。AIによる効率化提案がGDP(温度管理・トレーサビリティ・偽造品対策)の基準を緩めてはならず、期限切迫品・回収対象品の出荷はシステムで自動的に停止する。
需要予測・在庫最適化:欠品防止と過剰在庫の抑制(使用期限リミッターを設定、最終判断は人間)。
帳票・トレーサビリティ:発注書・納品書のデータ化とGS1バーコード照合(原本突合)。
温度・品質管理支援:温度データの異常検知アラート(逸脱時の判断・記録は品質責任者)。
STEP1 業務の棚卸し:需要予測・帳票処理・チャットボット・配車など、自社で効果の大きいシーンを特定する。
STEP2 商材リスクの確認:自社の取扱商品(第3章)の致命的リスクと必須の特則を洗い出す。
STEP3 小さく試行:1業務・1商材でPoC(試行)を行い、精度・リスク・現場の使い勝手を検証する。
STEP4 安全装置の実装:リミッター・アラート・原本突合・エスカレーション等のフェイルセーフを組み込む。
STEP5 展開と定期見直し:対象を広げ、予測精度・ルールを定期的に見直す。
本規程は、卸売業を営む中小事業者が、生成AIを業務で安全かつ適正に利用するために、社内規程として整備することを想定したひな型です。役職員が遵守すべき拘束力のあるルールを条文形式で定めます。
AI導入の目的・進め方・活用事例・チェックリスト等(拘束力を伴わない手引き)は、本規程とは別に整理しています。
【 】や「(例)」の箇所は、自社の実態(部署名・窓口・数値等)に合わせて記入してください。
自社が取り扱う商品分野に応じ、別表第2の該当分野を適用してください。
法令(AI事業者ガイドライン等)は改正される場合があるため、定期的に見直してください(要確認)。
本規程は、当社の役職員等が業務において生成AIを利用するにあたり遵守すべき事項を定め、情報漏洩、法令違反及び第三者の権利侵害を防止するとともに、生成AIの適正かつ有効な活用を図ることを目的とする。
1本規程は、次に掲げる者が、当社が利用を認めた生成AIを用いて、データの入力又は生成物の利用を行うすべての業務に適用する。
2社内利用・対外利用の別を問わず、生成AIに関する一切の業務に本規程を適用する。
本規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
役職員等は、生成AIの利用にあたり、次の各号に掲げる原則を遵守しなければならない。
1役職員等は、会社がセキュリティ及びプライバシーの基準を確認して認可した生成AIのサービス及び機能のみを利用しなければならない。安全性が担保された法人向けサービスを中心に利用するものとする。
2個人アカウントによる業務利用(シャドーAI)は、これを禁止する。
3新たな生成AIを業務に利用しようとする場合は、あらかじめ利用申請を行い、情報システム担当【 】の承認を得なければならない。
役職員等は、利用する生成AIについて、入力データが再学習に利用されない設定(オプトアウト又は学習しない法人向けプラン)となっていることを、利用開始前に確認しなければならない。設定が不明な場合は、情報システム担当【 】に照会するものとする。
1役職員等は、取り扱うデータを別表第1に定める区分に分類し、当該区分に応じた入力の可否に従わなければならない。
2ランクA(極秘)に該当する情報は、生成AIに入力してはならない。
3ランクB(社外秘)に該当する情報は、再学習されない法人向けサービスに限り、必要に応じ匿名化又はマスキングを行ったうえで入力することができる。
1役職員等は、生成AIの記憶機能(過去の入力等を記憶し応答に反映する機能。以下「メモリ機能」という。)について、業務利用では原則としてこれを無効にしなければならない。利用する場合は、法人向けサービスの管理下で会社が認めた範囲に限る。
2ランクA、ランクB及び個人情報は、メモリ機能に記憶させてはならない。
3会社は、四半期に1回等定期的にメモリ機能の内容を確認し不要な情報を削除するとともに、退職者・異動者のアカウント及び共用端末のメモリを速やかに消去する。
役職員等は、生成AIの利用にあたり、次の各号に掲げる行為を行ってはならない。
1役職員等は、生成AIへの入力及び生成物の利用にあたり、第三者の著作権、商標権及び意匠権を侵害してはならない。
2特定の作者又は作品のみを学習させた特化型AIを利用してはならず、プロンプトに既存の著作物、作家名又は作品名を入力してはならない。
3生成物を商用利用する場合は、既存の著作物、登録商標及び登録意匠と同一又は類似でないことを、公開又は利用の前に調査しなければならない。
1役職員等は、個人情報を生成AIに入力してはならない。ただし、本人の同意その他個人情報の保護に関する法律上の要件を満たす場合は、この限りでない。
2海外のサーバーで処理又は保存される生成AIに個人データを提供する場合は、個人情報の保護に関する法律第28条(外国にある第三者への提供)の要件に留意しなければならない。
役職員等は、他社との秘密保持契約により受領した秘密情報を、外部の生成AIに入力してはならない。取引先から預かった機密情報は、再学習されない安全な環境においてのみ取り扱うものとする。
役職員等は、自社のノウハウ等の機密情報を生成AIに入力してはならない。当該入力により、法律上の保護(営業秘密)を失い、又は特許出願ができなくなるおそれがあるためである。
1役職員等は、生成AIの出力をそのまま利用してはならず、数値、固有名詞、法令及び引用について、一次情報(公式資料又は原本)と突き合わせて確認しなければならない。
2確認できない情報は使用せず、不確実な事項は「要確認」と明記して次の工程に引き継ぐものとする。
生成AIがメールの送信、発注、対外的な回答その他外部に影響を及ぼす操作を行う場合は、実行の前に、権限を有する者による最終承認を必須とする。
会社は、生成AIの利用に関し、次の各号に掲げる安全管理措置を講じなければならない。
1生成AIの出力に基づく最終判断の責任は、利用者及びその承認者が負う。
2生成AIの誤作動により第三者に損害が生じた場合の民事上の責任の所在については、あらかじめ提供事業者との契約において明確化するものとする。
1役職員等は、情報漏洩、権利侵害又は重大な誤情報の発信等(以下「インシデント」という。)を認め、又はそのおそれを認めたときは、直ちに当該利用を停止し、証拠を保全のうえ、相談窓口又は上長に報告しなければならない。
2会社は、報告を受けたときは、影響範囲の特定及び拡大防止の措置を講じ、必要に応じ関係取引先及び監督官庁への連絡を検討するとともに、原因分析及び再発防止を行う。
会社は、生成AIの利用に関する相談、判断の照会及びインシデントの報告を一元的に受け付ける相談窓口【(例)情報システム部/DX推進担当】を設置する。
1役職員等は、当社が取り扱う商品分野に応じ、別表第2に定める取扱商品別の特則を遵守しなければならない。当該特則は、本規程の他の条項に優先して、又はこれに加えて適用する。
2複数の分野に該当する場合は、そのすべての特則を適用する。当該特則と他の条項とが抵触する場合は、より厳格な取扱いによるものとする。
1会社は、役職員等に対し、本規程の内容、情報区分、禁止事項、ハルシネーション及びシャドーAIの禁止等について、入社時及び年1回以上、定期的に教育及び研修を実施する。
2管理職及び承認者に対しては、最終承認の責任、リスク判断及びインシデント対応に関する教育を行う。
本規程に違反した役職員等に対しては、就業規則その他社内規程の定めるところにより、必要な措置を講ずることがある。
1本規程の改廃は、【 (例)取締役会 】の決議による。
2法令の制定・改正、技術の進展その他事情の変化に応じ、会社は本規程を適時に見直すものとする。
本規程は、【 年 月 日 】から施行する。
| ランク | 分類 | 具体例 | 生成AIへの入力可否 |
|---|---|---|---|
| A | 極秘 | 未発表の経営戦略、独自アルゴリズム、M&A情報 | 入力禁止 |
| B | 社外秘 | 取引先の契約内容・仕入原価・顧客リスト | 学習されない法人版でのみ許可(要マスキング検討) |
| C | 公開可 | 公開済みカタログ、プレスリリース | 著作権に配慮のうえ活用可 |
当社が取り扱う商品分野に応じて、次の特則(禁止・義務事項)を遵守する。
| 分野 | 主なリスク | 遵守すべき特則(禁止・義務事項) |
|---|---|---|
| ① 食品・農水産物 | 食中毒・産地偽装・食品ロス | 産地・消費期限・アレルギー物質をAIに推測・自動入力させない/商慣習(1/3ルール等)や指定残存期限を無視したロット引当をシステムで弾く/生鮮品の自動発注上限は保守的に設定する。 |
| ② 機械・機械部品 | 互換性エラーによる顧客工場の停止 | 代替品・互換部品の適合性は有資格・技術者がメーカー公式仕様書と照合して最終判断する/稼働率・安全性の評価を取引先へ確約として提示しない/型番・数量のAI読取りは発注前に原本突合する。 |
| ③ 衣料品・アパレル | ブランド毀損・優良誤認・知財侵害 | 組成・原産国・洗濯表示をAIに自動生成させない(家庭用品品質表示法)/販促コピーの優良誤認(景品表示法)を人間が確認する/AI生成画像・ロゴ・柄が既存商標・意匠・著作物に類似しないか調査する/モデル・顧客画像は本人同意なく用いない。 |
| ④ 化学製品・危険物 | 法令違反(消防法・毒劇法)・火災爆発 | SDS・輸出入書類の成分・適用法令に関するAI出力は有資格者が確認・承認する/混載・同時保管の禁忌等の危険回避ルールをAIの最上位の絶対条件として設定し逸脱させない/危険物の指定数量・区分をAI任せにしない。 |
| ⑤ 医薬品 | 薬機法違反・偽造品流通・品質劣化 | 温度管理・トレーサビリティ・偽造品対策のGDP手順をAIの効率化提案より優先する/使用期限・回収対象品の出荷をシステムで自動停止する/在庫引当・出荷可否は薬事・品質担当が最終判断する/効能・用法の情報発信は薬事が確認する(薬機法)。 |
狙い:気象・イベント・季節要因で発注量を最適化し欠品と過剰在庫を減らす。
要点:公式データ利用/自動発注にリミッター/最終判断は人間(規程第14条)
狙い:発注書・請求書・カタログをAI-OCRでデータ化、見積・貿易書類を効率化。
要点:原本突合を義務化/原本を保管(規程第14条)
狙い:在庫確認・納期回答の一次対応を自動化し省力化。
要点:参考情報と明示/複雑な件は人間へ引き継ぐ(規程第15条)
狙い:渋滞・天候を加味し物流2024年問題に対応。
要点:安全・法令順守を優先/裁量を保証/休憩・連続運転を組み込む
産地・期限・アレルギー表示のAI自動生成を禁止/期限・商慣習のリミッター
代替品の適合性は技術者が公式仕様書で確認/稼働・安全を確約しない
品質表示のAI自動生成を禁止/優良誤認・商標意匠の類似を人間が確認
成分・法令のAI出力は有資格者が確認/混載禁忌をAIの絶対条件に設定
GDP手順を優先/期限切迫・回収品は出荷自動停止/薬事が最終判断
| 対象 | 重点テーマ |
|---|---|
| 全社員(基礎) | 社内規程の理解、情報区分、禁止事項、ハルシネーション、シャドーAI禁止 |
| 管理職・承認者 | 最終承認の責任、リスク判断、インシデント対応 |
| 推進・IT担当 | ツール選定・設定(オプトアウト)、ログ監視、教育企画 |